大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和32(オ)176 判決

主 文

原判決を破毀する。

本件を東京高等裁判所に差戻す。

理 由

上告人指定代理人和泉茂秋、同角健治の上告理由第二点について。

原判決は、その別紙上段に本件出願商標の図形を、同下段に引用登録商標第二九

〇五八〇号であるとする図形をそれぞれ載せ、両者を比較対照した上、両者間に共

通または類似の称呼観念を生じないと判断して居る。

論旨は、原判決の、引用登録商標第二九〇五八〇号であるとする図形と真実の登

録第二九〇五八〇号商標とは、全く別異の外観を持つものであつて、原判決がかゝ

る図形と本件出願商標とを比較対照し、両者間に共通または類似の称呼観念を生じ

ないものと判断したのは、民訴三九五条一項六号違反であると主張する。

記録上、引用登録第二九〇五八〇号商標の写であることに争のない乙一号証と、

原判決別紙下段所載の、引用登録商標第二九〇五八〇号であるとせられる図形とを

比較対照するに、両者は似て非なること、多く論ずるまでもなく、しかも原判決が、

後者を以て引用登録第二九〇五八〇号商標の図形とした根拠、甚だ不明確である。

原判決が、本件出願商標とかゝる図形とを比較対照し、以つて両者間に共通または

類似の称呼観念を生じないものと判断するにとどまり、いまだ本件出願商標と引用

登録第二九〇五八〇号商標それ自体との間の共通または類似の称呼、観念を生ずる

や否やを判断するに至らなかつたのは、原判決に、理由を附さない違法があるもの

とせねばならない。

本論旨は理由があり、他の論旨を判断するまでもなく、原判決は破毀を免れない。

よつて、民訴四〇七条一項により、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

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